「はたらいていてもいなくても預かる~こどもの虐待を防ぐために私たちができること
7月31日、青葉区主催の保育施設向け研修に参加しました。
今回のテーマは「保育施設で確認しておきたい法的内容について」
講師の小圷淳子弁護士から、まず子どもへの虐待を防ぐために、保育者として留意しておくこと、基本的な姿勢や現場での気づきを次につなげることの大切さを学びました。
続いて、この日は区内で一時保育を実施している3事業所からの報告がありました。当法人からも、ピッピ保育園やピッピみんなの保育園、乳幼児一時預かり事業ここはっぴい、ピッピおやこの広場はっぴいで一時保育を行っている立場から報告させていただきました。
私たちピッピ・親子サポートネットは、2005年にピッピ保育園を開所する際に「働いていてもいなくても預かる」を基本姿勢に、定員30人の認可保育枠に加えて定員15人の一時保育の部屋をもつ保育園としてスタートしました。当時から核家族や転入転出の多い青葉区。少子化が進む中で、赤ちゃんと二人きり・一日中大人と会話していない・育てにくさを感じて困っている・お母さん自身が精神的な疾患を抱えてつらい状況になっている、、など子育てに孤立し悩む方たちがますます増えています。また子育てを楽しみながらも少しづつ仕事を始めたい、、でも認可保育所に預けるほど(週4日4時間以上)の日数を働きたいわけではない、、等の理由で一時保育のニーズは高まっています。
ピッピ保育園では、開所の翌年から毎年のべ3000人を超えるお子さんをお預かりしてきました。預ける理由の約半数は週2~3日の就労(グラフ中の「非定型」)の方たちです。
一時保育は、多様な働き方をサポートするとともに、お子さんにとってもいろんな大人や子どもと関わりながら人とのコミュニケーション、信頼関係を作っていく場となっています。また保育者も様々な子どもや大人と出会い「保育ソーシャルワーク」の必要性を実感する事例にも出会ってきました。
小圷弁護士のお話にもありましたが、虐待ケースの多くは実親・特に母親によるものが多いと言われています。保育現場に求められる機能としては、予防と早期発見。そもそも子どもが憎いわけではなく、親自身が精神的に追い詰められてどうしていいかわからなくなってしまい、結果として不幸なことが起こってしまうとすれば、その予防の網をもっと張りめぐらせる必要があります。
私たちは「一時保育は保育園が地域にひらく窓」、自宅近くの保育園など身近な歩いて行ける場所にあって、困ったらいつでも相談できる場所でありたいと願ってきました。また一時保育だけでなく、親と子の集いの広場、産前産後支援ヘルパーなど家庭に出向いてサポートする各種ヘルパー事業も行っていますが、地域に様々な受け皿があり、いざというときに互いに連携しソーシャルワーク的な役割を果たすことで虐待の予防につなげたいと思います。 (理事長 友澤ゆみ子)