青葉フードシェアネットワークから青葉区へ提案!

ピッピ親子サポートネットも参加する「青葉フードシェアネットワーク」で、青葉区役所を訪問、中島隆雄区長に、青葉フードシェアネットワークが実施した利用者アンケート結果と提言をまとめた報告書をお渡しして、意見交換もさせてもらいました。

フードシェア活動は、多くの方の参加と協力を得て成り立つ活動です。私たちは、その活動を可能な限り可視化したいと考えています。さらに、フードシェア活動の意義や課題を明らかにし、活動への共感や参加を広げることをめざして、今年度は、フードパントリー利用者の声を集めるアンケート調査に取り組みました。

アンケート結果からみえること
例えば、青葉フードシェアネットワークの3つのパントリーを知った経緯については、「知人・友人からの紹介」が27.6%と最も高く、団体・スタッフからの紹介も19%で、合わせて46.6%を占めています。また、自宅からパントリーまでの所要時間10分〜30分以内に住む利用者が81.4%と、まさに地域でつながり、循環する活動を表す結果でした。

フードパントリー利用前後の食生活の変化を尋ねた質問では、利用前には「不安があった」 (48.4%) 「やや不安があった」 (41.7%)を合わせると90.1%でしたが、利用開始後の食生活については「不安が解消した」 (26.7%)「不安がやや解消した」 (50%)を合わせると76.6%となっています。もちろん、パントリー利用以外の要因で生活状況が変化している可能性もありますが、自由記述欄のご意見からは、定期的に顔をあわせてコミュニケーションする場があることも、不安を和らげる一助になったのではないかと推察されます。

活動エリアはコンパクト
「地域でつながる」ということは、そもそも青葉フードシェアネットワークに参加する各団体のミッションでしたが、食を入り口にした活動は、新しく、かつ、多様なつながりを生み出しつつあります。なにしろ、各拠点のドライブ品や企業から提供される食品をパントリーへ運ぶことから、分け合いの準備まで、フードシェアは、ボランタリーな活動に支えられています。フードシェアの趣旨に賛同する事業所や市民活動拠点で、それぞれフードドライブに取り組み、身近なパントリーに食品を持ち込んで下さるという動きも生まれました。

他にもこんな良いことが
・ボランティアメンバーが、出張回収や食品のお届け(宅配)にも対応しています。
・野菜や果物などの生鮮食料品の提供も可能なので、寄付品の幅が広がりました。
・運搬にかかる環境負荷の低減にも繋がっています。

すでに、賞味期限の短い食品を扱う商店から、パントリー開催日に合わせて食品を提供される事例もありますが、今後は、近隣の生産者や近隣店舗、商店街等とより幅広い連携を進めていきたいと考えています。企業が、フードロス問題や福祉的な視点からの食支援活動に取り組み、その活動が可視化されることで、企業イメージの向上にもつながります。
現在、区内にも店舗内でフードドライブを実施しフードバンクかながわに食品を寄贈されている事例もありますが、フードパントリー実施団体が、近隣の店舗から直接食品を引き取る「ハローズモデル」への転換を推進することで、さまざまな付加価値が生まれると考えます。商店街活性化を推進する視点からも青葉区の取り組みに期待しています。

*青葉フードシェアネットワークは、長年地域で福祉事業や居場所事業、共同購入などの活動をしてきた団体が参加するネットワーク組織で、現在は9団体で2つのパントリーと18のドライブ拠点を展開しています。