次の一歩を刻もう

 新しい年は、ピッピ・親子サポートネット20周年プロジェクトが大詰めを迎える中、やってきました。
 法人設立から20年を経て、わたしたちのあゆみを振り返り、未来を描こうというプロジェクトで、「共主体」を問う取り組みや、「食でつながる」実践、そして、現場のニーズから展開される「多機能支援」の新たな可能性を探る取り組みと、半年にわたって3つのチームの活動が進んでいます。

 愛着をもって表現されてきた「ピッピの保育」。そのピッピの保育とは何かと問えば、「子どもを主体とした保育」と返ってきます。主体性を大切にした保育の実践のためには、大人の主体性も大切にする「共主体」の姿勢が求められることも学んだわたしたち。では、他者や社会との関わりや行動範囲も広がる学齢期の子どもたちの過ごしの場や、経験豊かな高齢者のケアの現場に共主体の姿勢は貫かれているだろうか?と、問いは広がります。
 閉園の日まで3ヶ月を切ったピッピ保育園を中心に、あらためて食を通じて「地域とつながる」プログラムを展開する試みからは、ピッピの食の原点である安心・安全な食材による保育園の給食の価値が語られています。
 次世代リーダーを中心に編成された多機能支援チームは、法人内外の取り組みに目を向け、さまざまな立場にある人と関わり、共に過ごす日々の実践を言語化することに挑戦しています。
 正に、「自分たちで考え、自分たちで決める」という働き方にチャレンジしているワーカーズ・コレクティブの真価を問われる場面が続いています。とても難しいけれど、希望を持って、ワーカーズ・コレクティブとNPO法人による協働運営をめざして、ピッピ・親子サポートネットの次の一歩を刻みます。