コロナ禍における保育園利用自粛要請時の家庭状況調査

2020年4月、新型コロナウィルス感染症拡大による緊急事態宣言に伴い、保育所の利用自粛を求められた保護者は、小さな子どもを抱えながら日常生活と仕事を自宅で行なわざるを得なくなりました。
保育現場では、子どもや家庭、仕事等への影響を少なからずキャッチし、その不安や困りごとに寄り添うために何ができるのか迷い悩み、その想いは保育所の役割そのものへの問いとなり広がっていきました。

ピッピ・親子サポートネットではNPO法人さくらんぼと共に、外部からは見えにくい家庭生活の中で、どんなことが起こっていたのか、保護者はどんな困りごとを抱えていたのか、保育所に求めることはどんなことだったのか、まずは、その声を聴くことが必要だと考え、「コロナ禍における保育園利用自粛要請時の家庭状況調査」を実施しました。保護者の皆さんにもその趣旨をご理解いただき、貴重なご意見を多数寄せていただきました。
調査結果からは、仕事や子育て、家事について、男性よりも女性の方がより困り感を抱いていたことや、女性の非正規労働者が直面する不安定な就労環境の課題も浮き彫りになりました。一方で、子育てに関わる父親の前向きな意識も読み取れました。
これらの気づきを、今後のケアワークに生かしていきたいと思いす。また、多様な暮らしや働き方を支え、ニーズに応えられるよう、引き続き、子育て当事者の皆さんとも協働し柔軟な保育政策を提案していきます。